~アレクサンダー大王~
- 聡 和泉
- 7月4日
- 読了時間: 2分
塩野七生著『ギリシア人の物語』(新潮社、全3巻)を読みました。12年前の『ローマ人の物語』と同様、塩野さん独特の語り口調で、読者をその時代に一気にタイムトリップさせる力強さがありました。
なかでも印象に残ったのは、第3巻に登場するアレクサンダー大王です。歴史の教科書で名前ぐらいしか知りませんでしたが、20歳の若さで故国マケドニアを出て、32歳で病没するまでの11年間、一度も故郷に帰ることなく、インドの手前までの広大な土地を征服していった若き王。容姿はもちろん、リーダーとしてのあり方は「かっこいいなー」と思わず独りごとを言ってしまうほどでした。
少ない軍勢であれだけの土地の征服に成功した理由として、塩野さんは二つのことを強調しました。ひとつは、いかに仕事を他者に任せるかです。「大事な大事業は、一人ではできない。他の人々の協力なしには、絶対にできない。それには他者を信頼して、明確な目的を与えたうえで任務を一任する必要がある。信頼に値するかどうかを精密に審査していては何一つ始まらないので、ある意味では直感によって大胆に一任するしかないのだ」(326頁)と塩野さんは言い切ります。
二つ目は、戦って倒した相手を排除することなく、仲間に引き入れて同化していくことでした。これはローマ人も、のちに全く同じ手法をとって大国を築き上げます。「敗者を支配するには、敗者にも存在理由を与えてやるのが、最も合理的でそれゆえに持続性も望める統治法なのであった」(347頁)。
歴史はいつもたくさんのことを私たちに教えてくれます。まちづくりという大事業の先頭に立つリーダーとして、日々誰よりも勉強し、歴史から学ぶことも忘れない。そんな決意を新たにしたのでした。
(広報 あしかがみ 2018.10)

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