~オウム事件が投げた問い~
- 聡 和泉
- 7月4日
- 読了時間: 2分
7月6日、オウム真理教元代表の麻原彰晃死刑囚ら7人に死刑が執行されました。26日には6人の元幹部にも執行され、13人全員の刑が短期間のうちに執行されました。
23年前、朝日新聞社会部の警視庁捜査一課担当記者として、一連の事件の最初から最後までをつぶさに見てきた者のひとりとして、様々な記憶がよみがえるとともに、事件が投げかけた問いについて、改めて自問することになりました。
執行後、たくさんの論評や解説が新聞や雑誌に溢れる中、7月14日付の朝日新聞で、作家の高橋源一郎さんが書いた文章が印象に残りました。高橋さんは麻原の著作を引用した上で「どの本もぜんぶ同じだった。自信たっぷり。断言、断言、断言。おれは正しい。言うことを聞け」と著作に共通する要素を指摘。ある信者が逮捕後、上申書の中で「『自分の考え』というもの自体が自己の煩悩であり、けがれである、として自分の疑問を封じ込めるようになりました」と、教団に引きずり込まれていく時の心理状況を吐露したことを紹介していました。そして高橋さんは、自分の若いころを振り返り「頼りなく、弱々しいかもしれないが、わたしは『自分の考え』で判断したかったのだ。仮に、その判断が間違っていたとしても」と書いたのでした。
人の人生も、この社会も、いつも複雑で、時に曖昧で、時に矛盾に満ちている。そういう中を、迷いながらも、ひとつひとつ手探りで選択しながら前に進んでいく。これが絶対に正しいとか、間違っているとかはありえない。それが私たちの命の営みであり、生きるということであり、だから人生は素晴らしいのだと私はいつも思っています。
そんな思いを一人でも多くの人と分かち合いながらこれからも進んでいきたい、そう強く思ったのでした。
(広報 あしかがみ 2018.9)

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