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いずみ聡 公式サイト

~自分の小ささを知る~

  • 執筆者の写真: 聡 和泉
    聡 和泉
  • 7月4日
  • 読了時間: 2分

 80年前に書かれた『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎著・マガジンハウス)が大ヒットし、話題になっています。漫画と原作がありますが、私は原作を読みました。

 15歳の少年コペル君が、学校など身近な場所で起きる日常の出来事を通じ、叔父さんと対話をしながら、悩み、考え、世界観や倫理観、人生観を身につけて成長していく。私が何度も頷きながら読んだのは、コペル君が「人間て、まあ、水の分子みたいなものだね」と言い、叔父さんがそれに応じて、「(そう言った時の君の顔は)ほんとうに美しく見えた。(略)ああいう事柄について、君が本気になって考えるようになったのか、と思ったら、僕は大変心を動かされたのだ」と手紙で語った場面でした。文芸評論家の斎藤美奈子さんは朝日新聞で「(この本の)メッセージは明快。人間はちっぽけだけど、世界は広い」と話しています。

 私は朝日新聞時代の34歳のとき、ハーバード大学に留学し米国で生活しました。その間、百回以上、米国人から「あなたは、日本で新聞記者をしていたというが、なんという新聞社だ?」と尋ねられ「朝日新聞」と答えましたが、「あー知っている」と言ってくれたのは、たった1人でした。『朝日新聞』と言えば、誰でも知っている日本にいるときと比べ、私はこの経験を通じていい意味で『朝日新聞の小ささ』を知ったのでした。

 そして何より、私が海外経験を通して得た最大で最も貴重だったこと、それは自分の小ささ、朝日新聞の小ささ、そして日本の小ささを身をもって学んだことでした。このことは、その後の自分の考え方、価値観に大きな影響を与え続けています。市長という職にあっても、自分はちっぽけな人間なのだ、という意識をずっと持ち続けていきたい、そう思っています。

 (広報あしかがみ 2018.2)

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