~思考の筋肉を鍛える~
- 聡 和泉
- 6月28日
- 読了時間: 2分
更新日:7月4日
リベラルアーツという言葉を辞書で引くと『一般教養』という訳が出てきます。もともとの語源は、古代ギリシャまでさかのぼり『人間が奴隷ではない存在、すなわち自由人であるために必要とされる学問を意味』し、自由七科(文法、修辞学、論理学、算術、幾何、天文学、音楽)がその内容で、一般教養という語感よりは、奥が深い意味をもっています。
以上の説明は、たまたま出会った『大人になるためのリベラルアーツ〜思考演習12題』(石井洋二郎、藤垣裕子著、東京大学出版会)という本から引用させてもらいました。
コロナ禍の中、経済優先か感染拡大防止優先か、といった点を含め、簡単には答えの出ない問題に私たちは直面していますが、考えてみれば世の中には絶対的な正解などない、という問題がたくさんあります。そういう問題について、東大生たちが議論を展開したその記録がこの本に収められています。
第10回目の問題提起は『絶対に人を殺してはいけないか』。論点として『あなたは死刑制度に賛成か、反対か。その理由は?』『戦争状態で人を殺すことは正当化されるか』『あなたは安楽死に賛成か反対か』などがあげられていて、なるほど、その人が持つ価値観などによって意見が異なる問いが並んでいます。
著者は本の冒頭で、自由で柔軟な発想をもつ人間になるには思考の限界を乗り越えなければならず、そのためには「ひたすら本を読み、教員や友人たちと議論し、他者の言葉と格闘することによって、いわば『思考の筋肉』そのものを鍛えるしかない」と述べています。良いまちになるには市のあちらこちらで、思考の筋肉強化につながる活発な議論が行われる。そのきっかけづくりをするのも、また私の大切な役割だと思ったのでした。
(広報 あしかがみ 2020.11)

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